通常、口腔内は中性に近いpH7程度に保たれています。
しかし、食事や間食のたびに虫歯菌がそれを分解して酸を産生するため、口腔内が酸性に傾きエナメル質からミネラル分が溶出します。これを「脱灰(だっかい)」といいます。脱灰はpH5.5より低下した時に始まります。
しかし、唾液には酸性に傾いた口腔内を中性に戻そうとする「緩衝能」という作用があります。唾液が十分に分泌されて、緩衝能が働けば、唾液中に含まれるミネラル分が再び歯の表面に取り込まれていき、脱灰した部分が修復されます。これを「再石灰化」といいます。
口腔内では、この脱灰と再石灰化が絶えず繰り返されていますが、1日に何度も間食を摂ったり、1回の食事時間が長かったりすると、再石灰化する時間が少なくなり、結果として虫歯になりやすくなります。
このように、虫歯を予防するためにはお口の中を清潔な状態に保つだけでなく、食習慣の改善も大きく関わってきますので、「間食が多い」「だらだら食べをしている」などという方は、改善をはかって歯を虫歯から守るようにしてください。